本の中の父の思い出
2010年 10月 11日
あったそうです。
そして妊娠中、つわりのひどい時にも夏にこの場所へきたら
すごく気分がよくなってご飯が食べられた…と大人になってから
母に聞きました。
それほど夏でも涼しく、すごくきれいな場所なんです。
小学生の頃、外食や旅行、遊びには行かない、というのが父の方針でした。
だらだらとお金を使えば、かさんで大きなお金になるので。
そのかわり、夏に1度貴船の高級料亭へ連れていってもらえるのです。
小さいうちから本当によいものを…という父の想いがあったよう。
今から思えば、なんちゅー贅沢なことをさせてもらってたんやーって思うのですが
小さな子供の私からすれば、どんな高い料理かもわからず、
なんでうちの家は遊びに連れていってもらえへんのやろーっとか勝手に思っていました。
厳格な父でこわすぎて、私に対して愛情があるのかとうたがうこともありました。
父がいなくなってからは、よく子供の頃に遊んでもらったこと、
そして一緒に鞍馬山に上ったこと、貴船でご飯を食べさせてもらったこと
楽しかったことだけを思い出し、愛情深く育ててもらったことを感謝し、感じる毎日。
心残りは、このことを生きているうちに伝えられなかったこと。
字数が限られていますし、あまりにプライベートすぎることは書いていないのですが
もっともっと山ほどかきたいことがあったのです。
この本には、そういう思い出がぎっしりつまっていたりします。
人には、思い出の場所ってたくさんあると思うのです。
そういう個人的な思い入れのある場所を本という形にさせていただく機会を与えてもらって
本当によかったなあーって思います。